基本4点セット:Inoue Methodsのベース
基本4点セットの意義
Inoue Methodsによる論文作成では、基本4点セット(Basic 4 pieces to start)を常にベースにします。A4の2枚を見開きのクリアファイルに入れて持ち運び、保管します。
構成
左:Title (& Authors), Abstarct, Originality box
右:Figures & Tables
(当初は太字の部分を完成させます)
意義
1. 基本4点セットで十分練り上げれば、論文の骨子を完成できる。
したがって、以降も方針がぶれにくくなります。
2. 基本4点セットの段階で、著者候補に著者として貢献してもらえるか聞く
以後のAuthorshipのトラブルを防ぐとともに、「なんちゃって著者」の予防になる。
3. コンパクトなので、どこへも持っていける。
信頼できる研究者に、アドバイスを依頼するのもこの段階が良いです。
基本4点セットを作る
Title、Figures and tables、Abstract(BMRI)、Originality box
作成順 TFtMRIB
(Title,Figures and tables,Methods,Results,Interpretation,Background)
Abstractの下にOriginalty Boxを作成する。
このセットで、著者間(あるいは他の研究者も)で何度もやりとりをして練る。
基本セットをA4両開きクリアファイルの左右に入れる。
バージョンが新しくなったら、上に置き換える。(下記ファイル参照)
Originality box
Originality box:2つの文章を記載
・What is already known (and yet unknown).
これまでにわかっていること(そしてまだわかってないことを追加しても良い)
・What this study adds.
この研究でわかったこと(読者に伝えるメッセージとして)
基本4点セットのTemplate
1.Authorshipはこれでいいか。
2.Titleは自分の言いたいメッセージか。
3.AbstractはきちんとTitleを説明しているか。
4.図表は過不足なく情報を提供しているか。
5.Originality boxのメッセージはそれらから導き出されるものか。
基本4点セットの例
これは学会抄録でとりあげた未診断糖尿病に関する研究の基本4点セットです。現在、FacebookグループのInoue Methodsに参加している、帝京大学公衆衛生研究科(公衆衛生大学院)の院生を指導しており、その院生が作成したものです。
初期のバージョンですので、
・Originality boxが練れていない
参考文献は裏ページに書いておく
・まだ各パーツとの整合性が取れてない、などありますが、一度も論文を作成したことのない人の作品としてはまずまずかなと思います。
この事例では、既にInoue Methods作成者がTitleとAbstractの素案は英語で作成していました。ですので院生の作成部分は和文で作ってもらい、それからPaper writing wheelを回していきます。
「研究者の資質」にもありましたが、素直さは重要です。最初から「自分はこうしたい、こんな分野の研究は面白くない」と殻を作って言っていたら、伸びません。この院生は、きっと伸びると思います(なあんて書くと、負担でしょうか^^)
なお、学会発表バージョンをアップ予定です。
基本7点セット(進化バージョン)
これまで、Inoue Methodsでは基本4点セットを作成してから、論文作成(Paper writing wheel)を回すと言ってきました。ところが、多くの若手研究者を指導しているうちに、間にもう1ステップ入れるといいことに気づきました。これがいわゆる「基本7点セット」です。さて、新しく付け加えた3つとはなんでしょう?(近日公開^^)。