地域医療学:学習の「学」

帝京大学医学部「地域医療学」教育冊子から
帝京大学医学部「地域医療学」教育冊子から

学習の「学」においては、今喫緊の問題があります。

 

「大学における地域医療学の独自コンテンツをどう作るか」

 

医学部入学生の多くが、「入学時」は地域医療、プライマリ・ケアあるいは家庭医療に興味を持っています。しかし医学部在籍中にそれが次第に低下していきます。大学の「学問的雰囲気(Academic milieu)」の中でどうしても、他の専門各科にしか接触しないこと、よって卒後のキャリアデザインに不安を感じることが原因とされています1)。

 

この対応策としては、地域に学生を派遣させるだけでなく、大学内でいかに対等に存在感を出していくかが問われています。そのためには、学習の「学」においては地域医療学でしか学べない、独自教育コンテンツが必須です。

 

1. Takayashiki A, Inoue K, et al. Primary care education for undergraduates in Japan: is it enough to increase student interest in and career preference for primary care? Education for Primary Care 2007;18:156-64.

地域医療の人材養成

内外の研究報告で、医学部卒業生が非都市部で医師として勤務することに影響力を持つ因子は、次の3つがエビデンスを有するとされています。

 

・非都市部出身

・学部でのプライマリ・ケア教育を受ける

・プライマリ・ケアの診療科を選択

To be constructed.

 

 

Peter F. Drackerの言葉

「社会はひとりひとりの人間に対し、自分は何か、何になりたいか、何を投じて何を得たいかを問うことを求める。この問いは、役所に入るか、企業に入るか、大学に残るかという俗な問題に見えながら、実は自らの実存にかかわる問題である」(断絶の時代)

 

地域医療を目指す若人が増えるためには、それが何であるかを指し示すことが必要です。そこにいけば何を求められ、何が得られ、何が困難と同時にやりがいであるか。地域医療学の教員として、これらを若人に伝えていくのが責務だと思っています。