日本におけるインフルエンザワクチン

Inoue K. Protecting Japan from influenza. Nature Medicine 1999;5:592. 

 

「インフルエンザから日本を守る」

これは、自然科学雑誌Natureの医学系姉妹紙であるNature Medicineに載ったインフルエンザの記事に対して、日本の状況に危機感を持っていた私が書いたものです。みなさんご存じのように、毎年冬にはインフルエンザが流行します。当時私が勤務していた、十和村の診療所でも多くの患者さんがかかりました。その前の秋、診療所にインフルエンザについてのポスターを掲示し、ワクチン接種を推奨しました。また、私の診療所に隣接している高齢者生活施設には特に、高齢者のインフルエンザワクチン接種の重要性を説きました。しかし、どちらも反応はあまりありませんでした。一旦インフルエンザがはやり出し、新聞で高齢者の死亡や子供の脳症の記事が出るとワクチン接種に来る人が増えました。高齢者生活施設のほうでも重い腰をあげてワクチン接種をすると言ってきました。ところが、その時期にはすでにワクチンは不足していたのです。良く調べると、ワクチン接種が勧奨から任意になってから接種自体が激減していること、それに伴ってワクチン生産も縮小していて容易に不足すること、医療界でもワクチン接種の有効性に疑問を持つ意見があること、そして新型ウイルスの出現が警戒されていることがわかりました。現状ではあまりにもインフルエンザへの体制が手薄と思い、注意を喚起する意味でこの短い論文を書きました。今では厚生省は高齢者のワクチン無料接種などを計画しているようで、一歩改善したなと思っています。

ぜひインフルエンザワクチンを接種しましょう!!

 

上記は、この論文の内容をもとに作成した当時の一般の方々向けの資料です。

 

「PBRでは研究の結果を、そのまま人々に返すことができる」

 

この小論文は、わずか1週間で受理となりました。Letter (Correspondence)においては受理されるために若干の「知っておくべきこと」があります。パスワード付のページに記載しました。

 

Nature Medicine論文からのFigure
横軸は西暦で、縦軸は人口あたりのワクチン使用者数です。1987年あたりから減少し、1994年では激減しています。これでは、ワクチンを注文しても不足しますね。
Influenza Vaccine.pdf
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