文献データベース:初めはここから

「すでになされたことからスタートする」

 

自分の研究疑問・仮説ができたら、次はそれが「するべき価値があるかどうか」検証します。

そのためには、これまで分かっていること(What is already known.)を調べます。具体的には、同一あるいは類似テーマの先行研究を検索することですね。

 

先行研究論文は2つの意味で利用します。

・What is already known.を確認する(上述)。

・論文の中で主に(1)IntroductionでWhat is already known.として記載、(2)Discussionで比較検討のために引用する。

欲しい文献の入手方法

一昔、といってもInoue Methods作成者が研究を始めたころですが、その頃は引用文献は全て紙媒体で入手していました。例えば高知の山村ではどうやっていたかというと、幸いなことに自治医科大学図書館が同窓会と連携して、全国に散らばる卒業生のために文献利用サービスを利用していました。

1. 利用登録をしたら、同窓会に一定の金額を振り込んでおく。

2. FAXか電子メール(といってもインターネットでなく「パソコン通信」で文献名か、あるいはこんな内容の文献がほしい、と言って連絡。

3. 図書館の担当の人が検索してくれて、自分のところまで郵送。急ぎの場合はFAXでも送ってくれた。

4. その後、利用代の実費だけが預入金から引かれる。

 

今も確認したら運用されていますね、とてもいいサービスです。大学などにいる人でなくて、Practice based researchをする人にはうってつけですね。また、大学にいても全ての文献がプリントアウトであるわけではありません。やはり他から入手をすることになりますが、この場合それも(費用はやや増えますが)、一括して手に入れられますので。

 

ぜひ、いろんな図書館でこういうサービスをしていただきたいものです。

文献データベースの構築

研究をするにあたって、関連文献のデータベース構築は欠かせません。研究者が日々の臨床である疑問や仮説に思い当たったら、、無駄な時間をなくすためにその時点でスタートさせます。

 

現在では、紙媒体をファイルするのはもう非効率に過ぎます。多くの文献が電子媒体で提供されていますから。ぜひEndNote30日間無料で使える トライアル版もある、初級ガイドやチュートリアルも同サイト)を入手しましょう、あるいは高価に過ぎるという場合は、最近評価の高まってきた無料文献管理ソフト、Mendeleyでもいいと思います。

 

どちらかを利用して、PubMedから文献を検索してダウンロードします(EndNoteへのダウンロード)。したことのない人は、スムーズさに感動すると思います。

 

Note: 文献管理ソフトウェアは、別の意味でも有用です。研究者は自分の業績を常にまとめておかねばなりません。研究申請にも、あるいは教育研究機関への採用申請時にも必須ですから。ですから、自分の業績のデータベースファイルも、こうしたソフトウェアで作れるので一石二鳥です。Inoue Methods作成者は、自分の業績は和文英文とも、自動でPubMedや医学中央雑誌からダウンロードしています。

What is already known and unknown.

文献データベースを構築しながら、思いついた研究疑問・仮説に対して、

・これまでわかっていること

・まだわかってないこと

この2つをチェックします。前者がOriginality boxの第1文になります。そして後者が第2文で扱われるものになります。

引用・関連文献のプリントアウト

PDFが活用できるのでできるだけ減らします。Inoue Methods作成者はPDFのおかげで、別刷りもほとんど印刷では見なくなりました。検索性と閲覧性が違いますね。基本4点セットと別に、せいぜい10論文くらいを印刷して、別のクリアファイルに入れておきます(うち2文献は常に参照→後述)。それ以外でたまった、それ以外の文献のプリントアウトは、ラベルを貼ったボックスにでも入れておきましょう。

 

そして本当に関連する2-3文献(先行研究)はPDFとプリントアウトの両方で活用します。

・PDF 検索とモバイル時の閲覧、論文への関連部分のペースト

・プリントアウト 書き込み(AcrobatがあるならPDFでも)、論文作成時のモニタ表示を論文だけにするため

引用文献PDFへの書き込み

作成論文との関係が書いてあります(クリックで拡大)
作成論文との関係が書いてあります(クリックで拡大)

紙媒体のメリットとして、直接コメントやアンダーライン、イエローハイライトができる点があります。後からその文献を利用するときに便利です。PDFでは有料のAcrobatでしたら同等のことができます。検索もできるのが優れています。

 

また、高価なAcrobatを購入しなくても、フリーウェアでも同等のことができます。画像は、ある引用文献への書き込み例です。最近、Inoue Methods作成者が筆頭で書いた論文ですが、この文献がアイデアを強化してくれたので当然、引用しています。その内容を書いておけば、後でわかりやすいですね。

引用文献プリントアウト:クラス分け

Level 1:最重要文献(必ず引用)

あなたが今書いている論文に、最も関連している論文を二つ選びましょう。

・研究アイデアと直接関係している→Introductionでも中核となる引用文献

・同一テーマの直近の研究→Discussionで比較しなければならない

 

この文献は常に基本4点セットと一緒に持ち歩きます。その使い道は2つです。

・常にOriginality boxのWhat is already known.(これまでわかっていること)の参照に使う

英語表現のお手本にする

 

実は後者のほうが論文作成には有効かもしれません。特に直近の類似研究はそうです。ここでは2つの文献であることが生きてきます。なぜなら過度に一つの文献の表現に似てくることが防げるからです。どしどし、表現や言い回しは参考にしましょう。研究者が競うのは内容であって、表現はわかりやすいものをお手本として使って一向にかまいません。

 

それでも、「私は英文論文は初心者で、真似しすぎてしまったかも」と心配する人がいるかもしれません。もし内容がオリジナルなら、心配は要りませんが、そういう人は月へ飛べば幸せになるでしょう(笑)少し考えて飛んでください。

 

ヒントはまたしても、

Disclosure is ’Panacea.'(情報開示は万能薬である)

Inoue Methods@引用文献

できるだけ2度手間はしない、「あの文献どこ行った?」で無駄な時間は食わない、がコンセプトです。

 

で説明します^^