(2)私の視点と「結核(そのもの)仮説」

まずは、以下の私のYouTube講義動画をごらんください。40分弱と長くて恐縮ですが、私が「日本(および東アジア諸国)においてCOVID-19をよく制御しているのは結核(BCGではなく)が原因ではないか」という仮説を持つに至った理由をご理解いただけます。

なお、全画面で視聴したい方はYouTubeのサイトでご覧ください。

Background story

・COVID-19の著しい国・地域間差異を説明するものは何か

 

私も、この世界の研究者が取り組んでいる課題に取り組みたいと思います。私は現在は大学にあって教員・研究者をしていますが、医学部卒業後、高知県の山間でへき地医療に携わってきました。おそらく今は、呼吸器や感染症専門医でなければ結核の新規発症例に遭遇することは少ないと思いますが、私が医師としてキャリアを始めた頃(1980年代)の高知県山間には、まだ結核新規発症患者はそれほど珍しくありませんでした。

 

その頃の記憶として、このような知り合いの保健所長との会話を覚えています。
保健所長「また君の勤務する地域から結核患者ということで登録があったと聞いたが、随分多いんだよ。あれ、本当にそう(結核)だったのかい」

自分「はい、(頸部リンパ節?)組織生検で乾酪壊死*があったそうです」

保健所長「そうか、それなら本当に結核だな」

*免疫性肉芽腫である結核結節の中心

 

私の視点は、そうした経験に基づいており、以下の論理的ステップからなっています。

 

1.国や地域間の大きな格差は生物学的理由でなければ説明できない。

               ↓

2.BCGワクチンが注目されているが、真の理由があるのではないか。

               

3.私は国・地域差の「真の理由」として、結核そのもの可能性を考えます。

 

*coronavirus disease 2019

**severe acute respiratory syndrome coronavirus 2